Topic 第6話 トレインシミュレーションゲーム徹底分析 (99/12/25)

 トレインシミュレーションゲームが世に出てから4年余、今やいろんな会社から個性を活かした作品が発売されています。今回は、主な会社の作品の特徴や技術を徹底分析してみたいと思います。

音楽館
 JR中央線を皮切りに現在までにトレインシミュレータ16作品を発売。発表ごとに作品のクオリティは確実に上がってきており、ファンも多い。プロデューサーはカシオペアの向谷実氏。独特のこだわりと技術でファンを唸らせている。最近導入された車掌業務や、停止位置の再現方法も見逃せない。また音質は他社を大きく引き離すレベルで大変優れている。

JR西日本コミュニケーションズ
 「運転道楽」の名前で大阪環状線と関空快速を発売。運転準備や乗客のツッコミなど、個性ある作品に仕上がっている。しかし運転特性に難があったり、走行音の再現が不充分であったりと、まだまだ改善の余地がある。

阪急電鉄
 「発車よし!」シリーズで、神戸線・京都線・宝塚線の3作品を発売。扉の開閉業務を真っ先にゲームに取り入れて話題を呼んだ。運転特性はまずまずだが、走行音の再現ができていない・信号や速度制限が満足できるものではないなど、中級者以上には物足りなさを感じる内容。

小学館プロダクション
 東武東上線など7作品を発売。当初の作品は等速映像になっていない・勾配の急な坂を上れないことがあるなど、相当な手抜き作品だったので評判が芳しくない。車両図鑑やパズルなど付録の方がよくできているので、ゲームとしてではなく資料として見たほうが良いかもしれない。最新作ではそこそこ楽しめるレベルに仕上がっているそうだが、走行音や信号システムの再現に不満を抱く人も多い。

タイトー
 皆さんご存知の「電車でGO!」「電車でGO!2」を発売。パソコン版ではCGが一層きれいになり、なかなか楽しめそうな感がある。ただ、タイムアタック形式を取っているため、「どんなにがんばっても時間が足りない」などの不満もある。さらに地域考証がいいかげんとの声も。アーケード版、PS版が大きく先行しているだけに、パソコン版も充実させて欲しいところだ。

 上に挙げた他にも多くの作品があるようですが、やはり最も優れているのは音楽館でしょう。上述した通り走行音の再現は抜群で、速度に応じて階段状に変化する他社作品とは全くレベルが違います。これは音楽館の場合音の再現にDirectX(Direct Sound)を使用しているのに対し、JR西日本・阪急・小学館ではMacromedia Shockwaveを使用しています。よって他社作品の音質がいつまでたっても音楽館に追いつけないのは、DirectXを用いた音の再現技術がない、あるいはこれに関して音楽館がパテントなどの権利を持っていることが原因と考えられます。音楽館はDirextXの使用により、走行速度に応じて音が連続的に変化する技術やモーター音・橋を渡る音・対向列車とすれ違う音など細部にこだわった効果音の再現に成功しています。

 走行映像に関しては、音楽館は西武新宿線以降でIntel Indeoビデオドライバーを使用し、画質を大きく向上させています。それに対し、JR西日本・阪急・小学館ではQuick Timeを使用しています。ただこれに関しては走行音ほどの大きな差は見受けられません。

 したがって他社が音楽館に追いつくためには走行音の改善が最も必要と考えられます。「音さえ良ければ買うのに」と思っているファンも多いのではないでしょうか。JR西日本では乗客のツッコミ・女性車掌の案内などで個性を出してカバーしようとしていますが、所詮付け焼き刃にしかならず、作品を長くは楽しめません。

 「できるだけ本物に近い運転を体験してみたい」というファンの声に応えられるよう、音楽館を含め各社がしのぎを削って新技術・新発想を編み出して欲しいと思います。

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