
| Topic 第13話 TS次回作発表の波紋 (00/04/23) 2000年4月18日、音楽館トレインシミュレータの注目の次回作が京阪電気鉄道と発表されましたが、ファンにはこれまでにない衝撃を与えました。それは次回作の路線についてではなく、「Macintosh版のリリース中止」でした。 2000年3月に京浜東北線が発売されて間もなく、「次回作は関西私鉄」という情報がファンの掲示板などで流れました。また、「今年は某私鉄のCD2枚組もリリースする」という噂もあったことから、それをいつの間にか合体させて「次回作は関西私鉄のCD2枚組」という憶測まで真実味を帯びてきていました。 関西私鉄ということで、ファンの間の予想は大多数が京阪でした。関西の大手私鉄の中でまだ唯一手がつけられていない路線だったからです。また、難易度などゲーム的なバランスを考えても京阪なら申し分ないと言われていました。私個人としては南海高野線あたりを希望していたのですが、1997年に小学館がラピートとこうやを発売しており、実現は簡単ではないと思いました。 4月18日、トレしゅみ友の会が会員向けにいち早く次回作の情報を発表しました。私は非会員なので情報を入手することができなかったのですが、ファンの掲示板の反応を見て首を傾げました。「どおして!?」「愕然…」驚きと落胆の声だったのです。私はその時、ファンをがっかりさせる路線っていったい何だろう?予想が外れたのかな…それにしてもこの反応は…?ということで理解できませんでした。 しかし18日の晩、音楽館ホームページでも正式に発表され、それを見た時、私はその意外な反応の真相を理解したのです。それは「次回作から対象機種をWindows95,Windows98とし、Macintosh版のリリースを中止する」というものでした。 Macintosh版打ち切りについて、音楽館では「信号や標識などの表示方法や、走行映像の大幅拡大により」(音楽館HPより抜粋)としています。つまり作品技術の進歩によってMacintosh版のリリースには「どうしても避けられない障壁がある」と言うわけです。それ以上の具体的な理由に関しては一切説明されていません。 Macユーザーは当然怒りました。「なぜファンを切り捨てるような行動に出たのか?」と。特に熱烈なTSファンのMacユーザーにとっては、あまりにショッキングな発表でした。掲示板などでも「音楽館に再考を望む」「きちんと理由を説明すべき」などの怒りの声が続出し、今までにない異様な雰囲気に包まれました。おそらく音楽館にも相当数の問い合わせや要望・抗議のメールが届いたのではないかと推測されます。確かに、JR西日本の運転道楽シリーズや阪急電鉄の発車よし!シリーズのハイブリッド化が実現しているのとは動きが逆ですし、もともと音楽館はプロデューサーの向谷氏がMacユーザーでありトレインシミュレータの元祖がMacintosh版だったことを考えると、今回の打ち切りは全く予想もしていなかったと思います。 まして、京阪はTSファンの中でも待ち望む声が多く、その念願がかなったというのにプレイできないなんて、絶えがたい苦しみでしょう。Macユーザーの方の心情は察するに余りあります。 私はWindowsユーザーなので直接の影響はありませんが、今回の出来事でいろいろ考えることが多かったです。 音楽館の説明では、先述したように作品技術の進歩にMacintoshが追いつかなくなったとしています。しかし、それだけでしょうか。またそれは本当に「どうしても避けられない障壁」なのでしょうか。音楽館からより具体的な説明がない以上、どうしても憶測でものを言ってしまうのですが…。 ゲームでは、映像や走行音などの再生技術にWindows版とMacintosh版で異なるものを使用しているので、確かにMacintosh版で実現不可能な技術があっても不思議ではありません。もともとゲームはWindowsの方が向いていると言われています 。 しかし、MacユーザーのTSファンを実質切り捨ててまで作品技術を向上させる必要があったのかとなると賛否両論分かれるところでしょう。音楽館でもTS京阪のリリースにあたり、要素技術検討を重ねた上でMacintosh版での実現を断念し、議論の末、苦渋の決断で今回の発表に至ったのではないかと考えられます。 これまで音楽館ではユーザーの意見を積極的に取り入れて作品をリリースしてきました。また、初級者でも楽しめて上級者も満足するような内容を心がけていました。その結果、作品毎に技術がアップすると同時に、フリーモードなどを設けてファン層を広げることに成功していました。でも今回のMacintosh版リリース中止で、自らファンを絞り込むような形になったことは間違いないと思います。 余計なお世話になりますが、Windows版で売り上げが伸びないとそれだけ利益が減って、商売としては失敗するわけです。したがって、TS京阪はプレイした人が「今までとは全然違う」と思えるくらいの画期的な技術の導入が必要かと思います。またMacユーザーに対しても、今回の多くの声に応え、リリース時期を少し遅らせてでもなんとかMacintosh版を発売して欲しいと考えます。 ただ、ここで視点を変えれば全く違った見方もできます。例えば音楽界では、多くのアーティストが自分の考えをある意味気ままに曲として表現しています。それは売上増を露骨に狙ったものではなく、「売れなくなったら引退する時期である」くらいに考えて曲をリリースしていると思うのです。ファンの意見を取り入れて曲を作ると言うのはあまり聞いたことがありません。 音楽館も一つのアーティストとして捉えたなら…。ファンの声はさておき自分が一番満足できる作品を作ることを念頭に置いて制作する、そしてファンはそれを受け入れるかどうかを決める のみと思うのです。この見方だと、ファンの立場はすごく受け身になってしまいますが、一般的な市場はこのように成り立っていると思います。それは成功・失敗は別にして理屈として 一応成立すると思うのです。(Macユーザーの方、すみません。あくまでこういう考え方もあるということで書かせていただきました。) 今回の一件で、「Macユーザーに熱烈なTSファンが多い」ということを知り、「トレインシミュレータとして作品がどうあるべきか、また制作者の立場としてどうあるべきか」について考えさせられました。 |
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