| Topic 第26話 新幹線運賃と企業論理 (01/06/23) 皆さんは新幹線を利用するとき、乗車券の運賃清算に不満を抱いたことはないでしょうか? 2001年6月19日の朝日新聞に興味深い記事が載っていましたので紹介いたします。
同じ区間を同じ方法で利用しているのに、徴収される運賃が違うのはおかしいと多くの人が思うのではないでしょうか。記事でも、改札で駅員との押し問答が昨年12月から今春まで何度も繰り返されたと書いています。 なぜこのようなことになるのでしょうか。JRの旅客営業規則では、「101km以上の長距離の場合は、切符に記載されている駅以外で降りると、出発駅からの運賃が同じでも、乗り越し運賃が必要となる」としています。JR各社は「切符は記載された駅まで有効というのが大原則であり、駅名ではなく運賃が記載されていて同じ運賃ならばどの駅で降りても良いというのは100km以下の特例である」と説明しています。 私の父に聞いてみると、このような規則は国鉄時代からずっと行われてきたと話していました。確かに昔からずっと続いている規則ですし、規則を作った当時の時代背景からすればこのようにするのは昔の感覚では当然だったかもしれません。しかし、JRの言う”特例”での利用がほとんどという多くの利用客からすれば、このような企業論理でものを言われても理解に苦しむのではないでしょうか。私からすれば、これは運賃の二重取りです。全く同じ区間、同じ利用方法で運賃が異なるというのは、私には理解できません。もっと乗客の立場に立って考えていただきたいものです。 もしこの規則について、多くの乗客に納得してもらおうとするならば、ハード面・ソフト面の対応が不可欠だと思います。つまり、乗車券で在来線の駅名を指定できる自動券売機をすべて設置した上で、広告などで広くアピールしていく必要があると思います。ハードすら整っていない現状で、このような規則を押し通すのはおかしいと思います。 しかも、さらに対応の不徹底も不公平感を増大させています。記事にあるように、路線や駅、駅員によって徴収されたりされなかったりでは、徴収された人の不満は高まる一方でしょう。乗り越し運賃の徴収を巡って苦情が絶えないことから、JRでは2000年11月、「駅員がやむを得ないと判断すれば、請求しなくても良い」と各駅に通達したとのことです。しかしやむを得ないとはどういう場合でしょうか、イマイチはっきりしていません。通達がされているにもかかわらず、今春まで改札での押し問答が続いたのは、通達内容がこのようにあいまいで、なおかつ徹底されていないからではないでしょうか。 私の体験では、愛知県からの帰省時に名古屋〜新大阪の新幹線を利用した際、自動券売機で乗車券は新今宮を指定したかったのにできず、結局新大阪までの切符を購入しました。新大阪も新今宮も運賃はもちろん同じです。でも乗車券には「新大阪」と記されていたため、念のため一緒に帰省した友人の切符と交換してもらいました。友人の持っていた切符は「大阪市内」と記したビジネス回数券タイプでした。あのとき、切符を交換していなかったら、新今宮駅で乗り越し運賃を請求されたかもしれません。 ところで、この他にもおかしいと思えるJRの旅客営業規則があります。それは乗り遅れた場合の新幹線の切符の扱いです。先日の朝日新聞の投書欄に書かれていました。新幹線の指定席を利用するためには、乗車券・新幹線を利用するための特急料金・座席の指定料金が必要です。その人は事情あって指定席を取っていた時刻の新幹線に乗り遅れたそうです。この日は週末で、自由席で座れないことを避けようとしたその人は再度指定席を取り直そうと考えました。もちろんタダでとは言いません。指定席を取っていた新幹線に乗り遅れたのは自分の責任だからということで、座席の指定料金だけは再度お金を払ってでも指定席を取り直そうと考えました。普通に考えれば成立しそうな話ですよね。ところが、JR側は座席の指定料金だけでなく特急料金までも再度請求したのです。特急料金と座席の指定料金はセットで払うものとかいう規則があるのかどうかは分かりませんが、このような融通の聞かない不便なやり方をしていたのかと、新聞を読んでいた私は唖然となりました。乗り遅れるというケースはよくありがちなだけに、座席の指定料金のみの負担で再度指定席を取り直せたらJRも儲かるのにと投書では締めくくっていました。私も同感です。 新幹線はJR各社の独占であり、規則を変えたくない事情もあるかと思いますが、このような理不尽な規則がまかり通っていたのでは、快適に新幹線を利用できません。乗客の声に真摯に耳を傾け、旅客営業規則の内容について本腰を入れて議論していただきたいと、私は望みます。 |
(C)1999-2006 Train Topics