
| Topic 第35話 就職活動で痛感したことPart3 (02/02/11) 1997年5月28日、突然決まったと言っていいJR西日本受験の日がやってきました。自分の進路についてしっかり考えないまま、動揺した気持ちで迎えた面接試験でした。「自分の人生を切り開いていくためには、一歩踏み出さなければ何も始まらない。」と自分に言い聞かせました。 電気部のNさんに面接室の前まで案内していただいた後、私は部屋のドアをノックして中に入っていきました。恰幅の良い、おそらく管理職と思われる方が座っていました。 志望動機を述べた後、卒業研究の内容について訊かれました。この質問はだいたいどの会社でも同じパターンだと思います。人に分かりやすく説明する能力がどれだけ備わっているのかを見るのにちょうど良いと思っておられるからだと思います。しかしこの質問で説明能力を評価するのは、私としてはあまり賛同できません。大学4回生は、研究室に4月中旬頃入りますが、そこから日の浅いうちに研究の内容を訊かれても困るというのが実情です。就職活動が続いて卒業研究など本腰を入れられるはずもなく、大半の学生は研究を始めていません。それどころか研究のテーマもまだはっきり決まっていない学生だっているのです。なのに、卒業研究の内容について詳しく尋ねられるのは辛いことです。仕方ないので担当の先生(教授)と話し合って、まだやってもいない研究内容を説明できるように打ち合わせしておくことになります。でも、これでは説明能力ではなくて「上手に嘘をつき通す能力」を見ているような感じです。各企業の人事担当者の方には是非ご一考をお願いしたいと思います。 少し話がそれましたが、私は質問に対して卒業研究の内容(樹木の成長シミュレーション)について答えました。しかし、すかさず突っ込みが…「それは、世の中でどのように役に立つのだね?」。ちょっと焦りましたが、答えることができました。何回か訊かれたあと、面接官の方は「君の言っていることをまとめると、君がやってる研究は……ということだね。」と見事なまでにまとめられました。それは暗に「これが合格となる正解の答えなのです。君のような答え方では駄目だね。」と言ってるようなものでした。 質問は続きます。「君がもし入社したら、会社にどのような貢献をしてくれるのだね?」私はラッシュ時のノロノロ運転の解消などを含めた効率的な列車の運用について答えましたが、具体的に踏み込んだ内容までは語ることができませんでした。 あとは、職種がローテーションで変わっていくということと、勤務地も定年間近まで転々とすることについて意思を確認されました。これについてはあらかじめ電気部のNさんから聞いていた内容だったので、できるだけ意欲的な回答を心がけました。時間にして10分あるかないかの面接はあっという間に終わりました。 Nさんに大阪駅まで送ってもらったとき、「またお会いできることを祈っております」と言ってくださいましたが、私は合格の可能性が低いことをこの時点で既に察知していました。2日後、案の定不合格の電話がかかってきて、あっけなく初戦1敗を喫してしまいました。電話でNさんは「やはり、説明能力の適性に欠けていると面接官が申しておりました。」と言ってました。その瞬間、塾講師で得た自信はもろくも崩れてしまったのです。 進路に迷いがある、しかも今までの自信が崩壊した…。私の不安は頂点に達しました。これまで高校・大学と比較的順調に人生を歩んできましたが、最大のピンチが訪れたことを実感しました。しばらくは食事が喉を通らず、うどんでさえろくに食べられませんでした。次はどの会社を受けるのか、次はどこを直せばいいのかといったことに頭を悩ませました。数日経って、会社は一応決めたものの、改善すべき点についてははっきりとした答えは出せませんでした。「こんな自分で採用してくれる会社があるのだろうか」という不安とも戦わなければなりませんでした。 幸い、次に受けた某メーカーは教授推薦だったので、合格を前提としていたこともあり、無事合格することができました。現在勤めている会社です。でも職種については当時の希望がかないませんでした。 今考えてみますと、やはり自分がなりたい職業は何かといった自分探しが不十分だったと言わざるを得ません。そのため、いくら口先だけで意欲を見せたところで、自分の夢を具体的に熱く語ることができず、”本気”が伝わらなかったのではないかと思います。JR西日本を受けたとき、説明能力もそうですが、全体的に元気がない印象に見えてしまったのではないかと思います。今勤めている会社でも、面接試験のときに「何をやりたいのか」をはっきりと語れなかったために、希望の職種につけなかったのではないかと反省しています。でもこのような状態で採用してくれた今の会社に感謝しています。
就職は、高校や大学までと違って、ただ単にレールに乗っかるだけでは駄目だということを実感しました。就職活動の時期になって夢を探すのではなく、もっと早い段階から夢を見つけてそれに向かって取り組む必要があると思います。 夢があって、それに向かって頑張っている人を見ると、輝いて見えます。学生の皆さん、人生の大半を占める大切な夢(職業)を見つけてください。 (就職活動で痛感したこと 完) |
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