Topic 第52話 JR快速”温情”の臨時停車 (03/05/02)

 2003年2月3日朝JR京葉線で、乗客の協力とJR千葉支社の英断によって、電車に乗り間違えた受験生が救われるという出来事がありました。

 高校受験に向かった女子中学生は、午前7時45分頃、最寄りのJR蘇我駅から内房線で千葉駅に出て、そこから総武線に乗り換えて次の西千葉駅まで行こうとしていました。所要時間にして10分程度。近所に買い物に行くようなものです。

 ところが間違えて反対側ホームの電車に乗ってしまったのです。これがとんでもない旅の始まりなのでありました。この電車は京葉線上り通勤快速で、なんと東京の八丁堀まで約30分間ノンストップだったのです!女子中学生は都県境の舞浜駅近くに来た辺りでようやく乗り間違いに気づきました。

 さあ困ったことになりました。不安で今にも泣き出しそうにオロオロする中学生。周囲の乗客らがその様子を察して事情を聞き、これは大変ということで親切にも行動を起こしてくれました。親と話すために携帯電話を貸してあげたり、満員の乗客の間を縫って中学生を車掌のところまで相談に連れて行ってあげたりしたそうです。申し出を受けた車掌さんがJR千葉支社に連絡、同社は「若者の将来がかかっているのだから」と特例での臨時停車を決めました。車内放送で断った上で、午前8時10分過ぎに電車を新木場駅に停車させました。

 混乱を避けるために各車両の扉は開けず、女子中学生を車掌室から降ろしました。中学生は新木場駅員に西千葉駅までの乗り継ぎ方法を教わり、下り武蔵野線乗り入れ電車に乗り込んで西船橋経由で西千葉駅へと向かいました。その結果、試験開始ぎりぎりに間に合ったそうです。新木場駅には中学生の親からお礼の電話があったとのことです。臨時停車で遅れた通勤快速ですが、その後速度を上げて遅れを取り戻し、ダイヤの乱れはありませんでした。特例とは言え、JR千葉支社の”温情”が受験生を救いました。

 世知辛い世の中に、なんと素晴らしい出来事ではありませんか。もし臨時停車せずに八丁堀まで行ってから引き返していたら間に合っていなかっただろうとのことです。乗客の力添えとJR千葉支社の柔軟な判断を高く評価したい。

 さて、今回の一件をもう少し考えてみますと、臨時停車の温情があったとしてもこんなに遠回りして、試験開始によく間に合ったなあと思います。千葉市内の公立高校入試で、試験開始は午前9時20分だったそうです。所要時間が10分+αなのに、午前7時45分頃の電車に乗ろうとしていたわけですから、時間的にかなりの余裕を見ていたようです。よってこのような最悪なアクシデントにもかかわらずなんとか間に合うことが出来たのです。試験のような重要なときは、不測の事態に備えて時間の余裕を持って出かけることが重要であると改めて認識しました。

 また、今回のように一度発車したら30分間ノンストップのような電車の場合は、乗り間違いのないように念入りな案内放送などが必要だったと思います。この受験生は緊張もあってうっかり乗り間違えたと思いますが、案内放送が充分行われていたのかJR千葉支社には確認していただきたいです。ましてこの日は公立高校の入試日で、多くの受験生が普段は乗らない電車を利用するわけですから、通常よりもさらに念を入れて案内する必要があると思います。

 この一件はとにかく感動的な出来事だったと思うのですが、特例を一度やってしまうと、つい…。4日後の7日夕方、成田空港発大船行きの成田エキスプレスが列車を間違えた外国人5人のために途中駅で臨時停車しました。5人は成田駅へ行きたかったようですが、成田エキスプレスは東京駅までノンストップ。JR千葉支社は「交通事情に不案内な外国人で、しかも人数が多かったのであくまで特例として…」と説明していますが、あまりに頻繁に特例を適用すると、特例でなくなってしまうので、その加減をどうするか、どこで線を引くのかを決めておく必要があると思います。

Topicのまとめ

●電車に乗り間違えた受験生を救った乗客の力添えとJR千葉支社の英断を高く評価したい。

●試験など重要なときには時間の余裕を持って出かけることが重要であると改めて認識した。

●長時間停車しない電車の場合は、乗り間違いのないように念入りな案内が必要である。

●頻繁な特例は困りものなので、どの場合に適用するか決めておく必要があると思う。

(参考図)

トップページへ戻る

(C)1999-2006 Train Topics


[PR]看護師の好条件求人なら:転職活動不安ですか?なんでも相談OK!