Topic 第65話 電車ゲームの新提案!電GO!FINALインプレッション(04/06/01)

  一世を風靡した「電車でGO!」シリーズも11作目でついにピリオドを打つ…。話題の最新作であり、電車でGO!シリーズ最終作でもある「電車でGO! FINAL」を購入しましたので、早速ファーストインプレッションをお伝えします。

電車でGO!であり電車でGO!ではない!?

 まず、「FINAL」の一番の見所は、一部を除く従来作品とは全く異なるシステムです。従来作品のシステムは皆さんご存知のとおり、「持ち時間」がゲームの全ての実権を握っており、停止位置0m停車をするなどボーナスを得ると持ち時間が加算され、速度オーバーなどの違反をすると減点、そしてダイヤに遅れると遅れた分だけ減点されていき、持ち時間が0に なった時点でゲームオーバーという仕組みでした。

 「FINAL」では従来の概念を全て捨て去り、電車運転と言う”素材”を用いてどんな面白いゲームを作れるのかを原点に戻って考えたのではないかと思います。「FINAL」には従来作品のシステムの根幹をなしていた持ち時間という概念がありません。新たに、チェイン、スコア、ライフ、クレジットという概念を導入。 私もまだよく分かっていないんですが、乗務中にある特定の条件を満たすとチェインとスコアを獲得し、それが 乗務終了時に評価としてクレジットと呼ばれるお金に換算されます。そのクレジットを使って路線を購入することができ、運転できる路線・ダイヤの数を増やしていくようになっています。ライフは 乗客の満足度と定義していますが、アクションゲームなどと同じような考え方に基づいており、速度オーバーなどの違反をすればライフが減少し、なくなったらゲームオーバー。まあ要するに従来一緒だった賞罰の概念が切り離されたと言えるでしょう。 だから、違反さえしなければなんと1分も早着しても全区間走破可能と言うわけです。

 この新しいシステムをどう見るか…。説明書を読まずにいきなりプレイすると何がなんだか分からない状態になってしまいそうなくらい、今回のゲームは概念が複雑と思いますが、逆に言えばいろんな攻略法や裏技を考案できそうで、実は奥深いゲームなのかもしれません。このように、「FINAL」は従来の 考えを打ち破った、電車ゲームとしての新しい世界を我々に見せてくれています。もはや電車でGO!を超えたと言う意味では別の名前のゲームにしても良いのではないかと思うくらい、電車でGO!らしくない電車でGO!なのです(訳分からんっちゅうに)。

 採用路線は従来作品で取り上げた路線のリメイクになりますが、従来は途中区間までだったのを「FINAL」では完全収録。山手線一周、中央線の東京〜高尾、東海道線の京都〜神戸、大阪環状線一周の4路線ですが、それぞれ上下線、内回り外回りを両方運転できるようになっています。もちろん車種についても普通から特急まで、想定されうるほとんど全てが運転可能です。ゲームをクリアしてクレジットでダイヤを購入していけばという条件付きですが。

素晴らしい画質が魅力!走行音もそれなりに…

 さて肝心のシミュレーションとしての完成度をチェックしてみましょう。

 まず画質ですが、かなり実物に近い形に仕上がっており、線路の描き方一つ取っても、「明らかにこんなカーブはおかしいやろう」というような変な部分はほとんど見当たりません。周辺の建物なども自然な感じで表現されていますし、夕方などは夕日がまぶしくきれいに反射します。

 音についても、「従来シリーズ作とは一線を画す」と謳っているように、「FINAL」では発車メロディや扉の開閉音など、本物の音を使用しているようです。走行音についても、モータ音やインバータ音などにこだわりが感じられます。ただ、やはり音楽館に勝負できるような”超リアル”と言えるレベルではありません。鉄道ファンや普段から採用路線を利用している人からすれば、「こんな音はおかしい」とまだ不満も漏れることでしょう。とは言え、タイトーさんなりに頑張ったなあと言う努力は認めてあげてもいいと思います。

 従来作品では目立った路線距離の省略もほとんど気がつかないレベルです。本物のダイヤと比べると、東海道線で6分の5くらいでしょうか。ここまでやるんだったら、いっそのこと実時間・実距離にこだわっても良かったと思います。

電車でGO!最終作にしてようやくリアルな信号変化

 電車でGO!について語るとき、今までどうしても許せないのが偏屈で奇妙極まりない信号システムです。従来作品では数秒早着しただけでたちまち注意や警戒信号が出て、ダイヤが大幅に遅れてしまい大減点を食らって一気にゲームオーバー。要するに注意信号などは、先行列車の影響ではなく、ただ単に早着に対するペナルティでしかなかったわけです。ゲームとしては成り立つかもしれませんが、シミュレーションとしては非常に不条理な仕掛けです。

 ところが「FINAL」では注意信号が出ることはあっても、信号通過前に進行に変わるようになりました。実に当たり前のことだと思うのですが、最終作にしてリアルタイムな信号変化をようやく再現してくれました。ただし、先行列車のことを十分に意識してのことかと言うとそれはちょっと違うかなと。例えば、関空快速・紀州時快速を運転していて、西九条や弁天町の手前で注意信号とかが出たら、実在ダイヤから考えて「先行列車は環状線内回り(普通)だな。これは新今宮手前までのノロノロ運転が楽しめるかも。」と期待したのですが、弁天町を過ぎてからは先行列車は足早に逃げていってしまいました(笑)。音楽館さんが大好きな(笑)通勤ラッシュ時ノロノロ運転が再現できていれば、もっと楽しめるかなと思いました。ファーストインプレッションと言うことで、Kochanがまだプレイしきれていないダイヤで、そういったものがあると最高ですね。

 残念だったのは、場内信号が進行なのに出発は赤信号と言う、従来作品で固執していた非現実的なシステムが、最終作でも踏襲されてしまったことです。相変わらず中継信号にまでご丁寧に反映されています。

●運転を飽きさせない工夫が盛りだくさん

 あと「FINAL」について述べておかなければならないこととしては、今回導入された「定通ポイント」「定速ポイント」「定速帯」の登場です。従来は駅の到着時刻・通過時刻での判断のみでしたが、この新しい3つは駅間に存在します。定通ポイントは、ある地点を指定の時刻に通過すると加点されるものです。定速ポイントは、ある地点を指定の速度で通過すれば加点され、定速帯は定速ポイントを区間に延長したもので条件を満たせば連続して加点されます。なお、それぞれについて、現在の速度・時間との差が目安として表示されるので調節は簡単です。

 こういったものが次々と現れるため、多少駅間の長い区間でも運転中に暇になることはありません。なかなかナイスな工夫だと思いました。

 その他、「FINAL」では、運転だけでなく車掌業務も楽しめますし、初心者でも楽しみながらプレイできるように”助っ人アイテム”を用意した「エンジョイモード」も用意されています。レベルに応じて、そして嗜好に応じて、いろんな楽しみ方が存在するゲームと思います。有終の美を飾るに相応しいクォリティに仕上がっていることは間違いありません。多くのファンが望むように、本作品が大ヒットして続編の登場が再び検討されることをKochanとしても願ってやみません。

※今回の記事は2004年5月31日現在の情報をもとに書いております。

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